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ありがとう [日記]

祖母が97歳で旅立ちました。

入院は長かったけれど、
そのほとんどの日々は穏やかなものでした。
最後、熱が出てしんどそうな時も看護師さんたちに「おおきに。」と伝えることを忘れなかった。

私は、大人になってからは年に何度も会わない不孝者でしたが、
最後の一年ちょっと、私の近くの病院にいてくれて、
本当に良い時間を過ごせたことに感謝です。

亡くなった日、祖母の家に集まった私たちを驚かせたのは、
祖母の大事なものが入った箱にあった、4人の子ども達の「臍の緒」。

長女であるわたしの母は、戦争が始まった2日後に、
教員をしていた祖父の赴任先の台湾で産まれています。

母の臍の緒に添えられていた小さな名札は、
当時の住所やお産婆さんの住所氏名までカラー印刷された美しいものでした。
そして帰国後に産まれた末の叔父の母子手帳も・・・。

戦争中も、そして終戦後、3人目を身ごもった体で船で帰国したときも。
そのあと、長い療養生活で家族みんなが離れて暮らしていたときも。

薬の包みほどの小さな4つのそれを、
大切に大切に持っていたのだと思うと、言葉になりませんでした。

私が知っているのは、働き者で、明るくて負けず嫌いでチャーミングなおばあちゃん。
苦労したという話も本人からは聞いたことがなかった。

おばあちゃん、見事な幕引きでした。

ほんとうにありがとう。
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